休業損害・逸失利益の計算 — 「働けなかった分」と「働けなくなる分」
交通事故の損害で慰謝料と並んで大きいのが、収入に関する2つの損害です。どちらも「いくらで計算するか」で金額が大きく動き、保険会社との争いになりやすい項目です。
- 休業損害 — 事故のけがで仕事を休んだことによる、事故から治療終了までの減収
- 逸失利益 — 後遺障害で労働能力が落ちたことによる、将来の減収
休業損害の計算
基本の考え方:1日あたりの基礎収入 × 休業日数
職業別のポイント
| 職業 | 基礎収入の考え方 | 必要書類・注意点 |
|---|---|---|
| 会社員 | 事故前3ヶ月の給与の平均から日額を算出 | 勤務先に休業損害証明書を書いてもらいます。源泉徴収票も用意してください。有給休暇を使った日も休業損害として請求できます |
| 自営業 | 前年の確定申告所得を基礎に算出 | 確定申告書が基本資料です。申告額が実態より低い場合の立証、固定経費(家賃等)の扱いが争点になりやすい部分です |
| 主婦・主夫(家事従事者) | 賃金センサス(女性全年齢平均賃金)を基礎に算出 | 「収入がないから請求できない」は誤解です。パート収入がある場合は高い方を採用します。家事ができなかった実態の立証が重要です |
| 無職・学生 | 原則対象外。ただし内定者・就職活動中など、働く蓋然性があれば認められる場合があります | 内定通知書等が資料になります |
保険会社は自賠責の定額(日額6,100円)ベースで提示してくることがありますが、実収入がそれを上回るなら実額で請求できます。
逸失利益の計算
基本の考え方:基礎収入 × 労働能力喪失率 × 就労可能期間に対応する係数(中間利息控除)
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労働能力喪失率
後遺障害等級に応じた目安があります(14級5%・12級14%・9級35%・7級56% など)。
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就労可能期間
原則67歳まで。むちうちの神経症状(14級)は5年程度に制限されることが多いなど、等級・症状により争点になります。
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中間利息控除
将来の収入を一括で受け取るため、ライプニッツ係数で調整します。
計算例:35歳・年収500万円・12級の場合
500万円 × 14%(喪失率) × 約20.4(67歳までの係数)
≒ 約1,427万円
※上記は説明のための例です。実際の金額は年齢・収入・等級・法定利率により異なります。
同じ12級でも、喪失率や喪失期間の主張次第で数百万円変わります。逸失利益は「等級が認定されて終わり」ではなく、そこからの計算・交渉が本番です。
増額が期待できる典型パターン
- 保険会社が主婦の休業損害を低い日額で計算している
- 自営業の所得を申告額だけで低く見積もられている
- むちうち14級で喪失期間を短く(3年等に)制限されている
- 昇給・昇進の蓋然性が考慮されていない(若年の方)
必要書類の収集からサポートします
源泉徴収票・確定申告書・休業損害証明書など、何をどう揃えるかからご案内します。ご自身のケースでの試算は、無料相談でお答えします。
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